懐かしきボストン、懐かしき玉さん。玉さんは、松原玉さんという通訳です。7年間私の相棒を務めていただき、それはそれは、すごい助っ人でした。前職での提携先アイオニクスの技術導入に成功したのは、ほとんど玉さんのお蔭だったと今も感謝しています。当時は、GYOKU BLOCKさん。旦那さんはユダヤ人の技術屋さんでした。よく家にも遊びに行きましたし、旦那さんとも二人の娘さんともバーベキューをしたりして交流がありましたよ。でも、今は、訳あって、松原玉さんと旧姓にもどりましたが。
今日の訪問先は、そのアイオニクス社のある場所を通って行くところにあります。玉さんの車に同乗して、アイオニクス社経由で行くことになりました。
しかし、しかし、…….
訪れたアイオニクスの本社は、もぬけの殻に。貸しビルの看板がでていました。1948年から60年以上も続いた会社だったのですが。私が独立した2006年ごろにGEに買収され、同時に主だった人々もアイオニクスを去りました。その後GEウオーターズと社名を変更して事業継承をしていたのですが。GEが買収したのは、アイオニクスがとても技術力の高い良い会社だったからです。決して経営に行き詰った訳ではありませんでした。一部の株主と経営者がお金に目が眩んで売却をしたのです。私が付き合っていた当時ゴールドシュテインというユダヤ人の社長でした。なかなか人間味のある人で、社員を大事にしていました。誕生会などを社内でするという、なんだか日本的な会社でしたが。その社長がリタイヤし、その後ハーバードビジネススクールを出た新社長がトップになってから、だんだんおかしなことになってきました。ストックオプションを連発し、相当個人的に儲けたようです。その結果が今日のアイオニクスです。なんだか現代のアメリカ社会を反映しているような光景でした。社員のモラールが下がるとこのような結末になるのですよ。経営陣は心しなければなりませんね。