余市でニッカの工場見学の後、小樽方面に向かって帰ると、豊浜トンネル岩盤崩落事故現場がありました。1996年の冬、トンネルを通過中のバスと乗用車が上から落ちてきた巨大な岩盤にトンネルごと押しつぶされた事故です。テレビで何日も中継していた覚えがあります。結局事故に巻き込まれた20名全員が即死という状態だったそうです。あの事故はここで起こったんだ。北海道の事故という記憶はありましたが・・・・。そのトンネルはもう長年にわたって閉鎖されていますが。
ご冥福をお祈りいたします。
そのトンネルのそばにアイヌの伝説がありました。昔この村の漁師が一匹の犬を飼っていました。漁師は、犬を可愛がり、犬も猟師によくなついていました。あるとき、漁師は仲間と共に沖へ漁に出かけ、犬は、いつものように海岸で漁師を待っていました。ところが突然暴風になり、主人の漁師は帰ってきませんでした。暴風雨は何日も続き、犬は海岸で主人の帰りを待っていました。ある夜、犬の遠吠えが聞こえ、次の朝暴風雨はやみ、海は穏やかになりました。海辺に犬の姿がなく犬の遠吠えをした姿の岩が忽然と現れました。人々はその岩を「セタカムイ」(犬の神様)と呼ぶようになったそうです。(写真の岩がセタカムイです)悲しい伝説の場所で悲しい事故が起こったのですね。